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「経営の三要素」はもう古い

「経営の神様」と呼ばれた故・松下幸之助氏の経営戦略のひとつに「ダム経営」があります。経営の三要素であるヒト・モノ・カネを蓄えておくことで、変化に備え安定した経営を行う、というものです。

もちろん、この「ダム経営」は重要な考え方です。
しかし現代は、ヒト・モノ・カネを安定して確保するだけでは生き残れない時代になっています。
では今、ヒト・モノ・カネに加え、企業が意識しなければならない経営資源とはなんでしょうか？
それは「情報」です。

カリスマ経営コンサルタント大前研一が創設した一新塾でも、ヒト・モノ・カネに情報を加えたこの四要素は、繰り返しひとまとめにして取り上げられています。 これからの企業は、従来の三要素に加え、情報を確保すること・マネジメントすることが大きな課題となっているのです。

情報こそ、最大の経営資源である

四要素目に新しく加わった「情報」。
この「情報」を活用すれば、ヒト・モノ・カネを効率よく集めることができます。
つまり、情報の活用に力を注げば、四要素のすべてをカバーすることが可能なのです。

たとえば、起業に当たって経理作業を担当してもらう人員を集めるとします。
採用には、どんな能力を持った人が必要なのか、給与の相場はいくらくらいなのか、そしてどの人材紹介会社に頼めば、必要に応じた適切な人材を見つけられるのか... こうした情報を正しく持っておくことで、優良な「ヒト」を集めることができるのです。

このように、「情報」こそが、ヒト・モノ・カネをバックアップする≪最大の経営資源≫なのです。

「他の選択肢を知らない」という大損

情報を持っていない、「知らない」ということは、とても不利です。
そして重要なのは、自分はちゃんと情報を持っていると思っていても、他の選択肢を見落としていたら...それは「知らない」のと同様だ、ということです。

たとえば、起業するとき、避けて通れないのがオフィス探し。
もし、斡旋を依頼したオフィス会社と契約を済ませたあとで、相場が一段下のリストを持っている、契約時に割引制度があるなど、もっとお得な契約形態をとっている斡旋会社があったとわかったら...この場合、あなたははっきりと「損」をしてしまったことになります。

このように、「他の選択肢を知らない」ということは、損得に直接的に結びついてくるのです。たくさんの選択肢を押さえておかなければ、情報を得る意味がなく、ただ損をするだけです。